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名古屋市昭和区八事にある矯正専門の歯科医院
(鶴舞線・名城線 八事駅6番出口すぐ) 日曜も診療

子どもさんの矯正治療を行う上で大切なこと

                            
 子どもさんの矯正治療を行うときには、費用や治療期間のこと以外に、ちょっと考えて、理解しておいていただきたいことがあります。
 ここでは、私(院長)が大切かな、と思うことを2つお話します。

 [子どもさんの矯正治療で大切なこと1]

 子どもの矯正治療で大切なことの一つ目、それは、「子どもの矯正治療」は、治療効果のばらつきが大きいこと、そして、このばらつきを少しでも小さくして、矯正治療の効果を高めるためには、患者さん自身の協力や努力が必要、ということです。

                          

 「子どもの矯正治療」では成長を利用しますが、全ての人が身長180cmまで伸びるわけではありませんし、成長とともに体格が良くなったり、胴長になったり、足が伸びたり、など、成長は人それぞれ、個人差がとても大きいところです。
  
 顎の成長も同じで、人それぞれです。顎が大きく成長する人もいれば、あまり成長しない人もいます。また、顎の成長方向も前に伸びるのか、下に伸びるのかなど、個人差が大きいです。
                      

 このように成長は個人差が大きいため、「子どもの矯正治療」は治療効果のばらつきが大きくなります。
     
                        
 少し深い話をしますと、成長は、遺伝要因と環境要因の影響によって違いが生じると言われています。
                          

 遺伝要因とは、両親からの遺伝です。子どもの顔は両親に似てきますので、口元の感じも両親に似てきます。
 親が出っ歯(上顎前突)の場合は子どもも出っ歯(上顎前突)になりやすく、親が受け口(下顎前突)の場合は子どもも受け口(下顎前突)になりやすく、親がガタガタ・デコボコの歯並び(乱杭歯、八重歯、叢生)の場合は子どももガタガタ・デコボコの歯並び(乱杭歯、八重歯、叢生)になりやすい、ということです。
  
 従って、この遺伝要因が強い場合は、矯正装置を入れて治療したとしても、あまり矯正装置の効果は期待できないかもしれません。
        
             
 しかし、人類学的に、この遺伝要因による影響は、30~40%と言われています。
    
 あとの60~70%は、環境要因の影響を受けます。
 環境要因とは、普段の姿勢とか、舌や唇の位置・動き、呼吸の様態などです。

                          
  
 例えば、赤ちゃんのとき、いつも同じ方向ばかり向いて寝ていると、頭が左右非対称になるのは、ご存知でしょうか。
 また、大きくなるまで指しゃぶりをしていると、出っ歯(上顎前突)や開咬(奥歯がかんでも前歯がかみ合わない)になりやすいことをご存知でしょうか。
 鼻ではなく、いつも口でばかり呼吸をしていると、顔が長くなりやすく、開咬(奥歯がかんでも前歯がかみ合わない)や受け口(下顎前突)、出っ歯(上顎前突)になりやすくなります。
 
 要は、成長の過程で、頻繁に口や顎に力が加わわるようなことがあったり、望ましくない姿勢で長時間過ごしたりすると、顎の成長に影響を与えるということです。
      
                       

 例えば、出っ歯(上顎前突)の人の場合、下図のように上の前歯の後ろに下唇がはさまりやすくなります。
 
出っ歯(上顎前突)の人の舌や唇の位置
 すると、下唇によって、上の前歯は外側へ、下の前歯は内側へ押されてしまい、ますます出っ歯(上顎前突)がひどくなっていきます。このような力がかかると、顎の成長にも影響します。
 
 受け口(下顎前突)の人の場合は、下図のような感じです。
 
受け口(下顎前突、反対咬合)の人の舌や唇の位置
 標準的な人では、下図のように舌がもう少し上にありますが、受け口(下顎前突)の人は、上図のように舌が低位になりやすく、この舌により下の前歯が前に押されたり、下顎の成長が促されたりします。
 
標準的な人の舌や唇の位置

 他にも、、普段の姿勢(うつぶせ寝、頬杖など)、舌や唇などから受ける力(舌がよく前に出る、口がいつも開いている、など)、指しゃぶりなどによる力、いつも口から呼吸するなどの呼吸様式、などが、環境要因として、顎の成長に影響を与えます。

 これらの状態は、毎日の習慣や癖になってしまっている場合が多いので、このような状態を変化させるのは、なかなかやっかいです。しかし、顎の成長に悪影響を及ぼす習慣や癖がある場合は、がんばって取り除く必要があります。

       
  
 ふじき矯正歯科では、すべての患者様にお口のトレーニングや姿勢の指導を行い、上記の問題を少しでも取り除き、できるだけ良い成長を引き出せるように、努力しています。

                       

 ここで、少し考えて頂きたいことがあります。それは、ふじき矯正歯科ではたくさんの指導をしますが、それを実践するのは、子どもさん本人で、それをサポートするのは両親、ということです。ふじき矯正歯科で1か月に1回の来院時に指導したしたとしても、それを家庭で実践して頂けなければ、あまり指導の効果は期待できませんので。。。
 学校の勉強と同じです。1か月に1回勉強しても、勉強ができるようにはなりませんよね。毎日のコツコツとした積み重ねが、大切なのです。

                             

 要は、ただ通院すれば、先生が勝手にきれいに治してくれる、というのではなく、顎の成長に影響を与える環境要因を改善して、きちんと治すためには、子どもさん本人、そして両親の協力・努力も必要である、ということです。

   

 なお、矯正装置は、顎の成長に影響を与える環境要因の一つになります。
 矯正装置によって歯や顎に力を加えているわけです。
                              

 従って、いくら矯正装置を使っても他の環境要因の問題が大きい場合は、あまり効果は期待できないかもしれません。
 逆に、他の環境要因の問題が少ない人は、矯正装置の効果が大きく現れるということです。
 (実際には、これに遺伝要因も加わりますので、子どもの矯正治療の効果は、本当にばらつきが大きくなってしまいます。)
                            

 ふじき矯正歯科では、お口のトレーニングや姿勢の指導をたくさん行いますので、その指導に従って、がんばって問題のある環境要因を排除していきましょう。
 そうすれば、矯正装置の効果がしっかり現れて、きちんと治ります!
         


[子どもさんの矯正治療で大切なこと2]
 子どもの矯正治療で大切なことの2つ目、それは、子どもさん自身の気持ちです。

                        

 子どもの矯正治療は、多くの場合、親の意向で開始しますが、治療を受けるのは子どもさんです。矯正治療は、口の中に矯正装置が入る違和感、痛み、矯正装置を毎日使う大変さ、など、それなりに大変です。その大変さにさらされるのは、子どもさん自身ということです。

                           

 親の役割としては、矯正装置をきちんと使いなさい、と言ったり、場合によっては矯正装置を子どもにつけてあげたり、あと、ふじき矯正歯科では、お口のトレーニングや姿勢の指導なども行いますので、それらについて、子どもさんと一緒に取り組んだりすること、などです。あとは、子どもさんに、「がんばりなさい」と言うことくらいしかできません。がんばるのは子どもさん自身です。

       

 したがって、子どもさん自身が、今の歯並び・かみ合わせ(出っ歯、受け口、ガタガタの歯並びなど)を治したいと思っている、または、治した方が良いということを理解していること、そして、子どもさん自身が矯正治療に対して前向きに取り組んでいけること、がとても大切になります。

    

 例えば、ふじき矯正歯科でヘッドギアや上顎前方牽引装置など、取り外し式の矯正装置を毎晩寝るときに使うように指示したとします。この場合、家庭でしっかりとその矯正装置を使って頂けないと、治療になりません。

                       
         
 時々、「取り外し式の矯正装置だと、子どもが嫌がって使ってくれないので、口の中につけっぱなしの矯正装置にしてほしい」と両親から要望を受けることがあります。しかし、子どもさんが嫌がっている場合は、口の中につけっぱなしの矯正装置をつけたとしても、指で矯正装置を触ったり引っぱったりして壊してしまうことが多いため、お勧めできません。矯正装置が壊れると、歯や顎に変な力加わったりして、歯や顎が予定とは違う方向へ動いてしまったりしますし、当院へ頻繁に来ていただく必要が生じたりするためです。

       
    
 やはり、子どもさん自身の矯正治療に対する前向きな気持ち、というのが、とても大切になります。

 子どもさん自身の気持ちの重要性、なんとなくご理解いただけましたでしょうか?
       
       

 ちなみに、ふじき矯正歯科で子どもの矯正治療を行う場合は、子どもさん本人の矯正治療に対する気持ちや意思を必ず確認し、子どもさん本人が矯正治療を嫌がっている場合は、子どもさん自身がやる気になるまで、矯正治療を開始しないことにしています。
 多くの場合、少し時間を置くことで、「友達が矯正治療を始めたので自分もやってみようかな」など、本人も少しずつ心変わりしてきますので、少し待つことも大切だと思います。(小学校高学年、中学生、高校生など、反抗期の子どもさんの場合はちょっと事情が違いますので、この点は、また別の機会に説明します。)

                         


[まとめー子どもさんの矯正治療で大切なこと]
 矯正治療は、歯が健康であれば何歳でもできます。

     

 ただ、大人になると、治療が大がかりになるなど、大変になることもありますので、できるのであれば、子どものうちから矯正治療を開始した方が良いと思います。

                      

 ただし、子どもの矯正治療を行うときには、治療効果にばらつきがあること、そのばらつきを減らして少しでも良い治療効果を得るためには子どもさんとご両親の協力・努力が必要なこと、子どもさん自身の矯正治療に対する前向きな気持ちが大切、ということを理解してから治療を開始するようにしましょう。
 通院すれば、先生が勝手に治してくれるわけではない、ということです。

       

 子どもの矯正治療はそれなりに大変ですが、子ども時代にきれいな歯並び・かみ合わせと、きれいな口の機能を身につければ、その後の人生で、口に関して悩む頻度を減らすことができます。
 がんばった分だけ、よりよい人生を歩むことができるのです。

 子どもさんの歯並び・かみ合わせが気になるようでしたら、子どもさんと一緒にがんばってみたらいかがでしょうか。
                  
   
       
 


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