本文へスキップ

名古屋市昭和区八事にある矯正専門の歯科医院
(鶴舞線・名城線 八事駅6番出口すぐ) 日曜も診療

当院で発行している院内誌の一部を紹介します



 ←前年度の院内誌   翌年度の院内誌→

Vol.13 (H19年4月) 
 皆さんのお口の中には「つば」がありますよね。では,「つば」の味ってわかりますか?よくわかりませんよね。「つば」自体の味はわからないのですが,実は,「つば」は食べ物や飲み物の味に大きく影響を与えています。

 人は,食べ物や飲み物の味を,お口の中の「味蕾(みらい)」という部位で感じ取ります。この味蕾という部位は,いつも「つば」で覆われているので,食べ物から出てくる味の物質が「つば」にとけなければ,味を感じることはできません。液体の飲み物は「つば」と混じりやすいので,簡単に味を認識できます。しかし固形物の場合は、しっかり噛んで食べ物と「つば」を十分混じり合わせなければ,その食べ物の味を認識できません。試しに,マグロの刺身を口の中へ入れ,噛むことなくじっとしてみてください。おそらく,おいしくないでしょう。しっかり噛んでマグロを「つば」と混ぜ合わせないと,マグロのうまみはわからないのです。
 食べ物を噛むという運動は,ただ単に食べ物をすりつぶしているのではなく,食べ物を「つば」と混ぜ合わせ,食べ物の味を引き出す役目を果たしているのです。過去の研究で,味の物質と「つば」が混じることで,甘みは増強され,すっぱい味は弱められることが明らかにされています。よく噛んで食べ物を十分に「つば」と混じらせることが,おいしく食べるために大切なのです。






Vol.14 (H19年6月) 
 皆さんは食べたり飲んだりした時、むせた事はありませんか?たいていの人はあるでしょう。もちろん私もあります。人間の口は,胃へも肺へもつながっているため、ちょっとしたバランスの崩れから、飲み込んでいるものが肺の方へ流れていこうとすると、むせてしまうのです。

 人間はいつも呼吸をしていますので,肺へつながる気管の入り口が開き、胃へつながる食道の入り口は閉じています。食べ物や飲み物などを飲み込むときだけ、気管の入り口が閉鎖され、食道の入り口が開くのです。試しに,鼻から息をはきながらつばを飲み込んでみてください。飲み込む瞬間に,息が止まるでしょう。飲み込む瞬間に気管の入り口が閉鎖されて,呼吸できなくなるためです。逆に考えると,食道の入り口が開くのは,この一瞬だけということになります。飲み込もうとしているものがこの一瞬を逃して食道の方へ入りそこねると,気管の方へ行ってしまい,むせてしまうのです。しかし,意識して食道の入り口を開くことはできませんし,開いた一瞬に合わせて食べものを食道へ送り込むのも至難の業です。飲み込む反射が引き起こされ,それに合わせてタイミング良く口の中や外の筋肉が正常に動いてくれることで,きちんと飲み込めるようになっているのです。
 最近,こんにゃくゼリーをのどに詰まらせた事例がニュースで取り上げられました。食べて飲み込む動きは,普段,なにげなく行われていますが,実は無意識のうちに,とても複雑な動きが体の中で行われているのです。人間の体は本当に良くできているな,とつくづく感心させられると同時に,この能力を最大限に引き出してあげることがとても大切だと考えさせられる今日この頃です。





Vol.15 (H19年8月) 
 口を開けて「クチャクチャ」音をたてながら食べている人を時々見かけます。このように口を開けながら食べるのは,あまりマナーがよくないとされています。「口をつむって食べなさい」と子どもに注意をしている親御さんもおられることでしょう。しかし,口を開けて食べるというのは,マナーの問題だけではなく,食べる機能にも問題を持っています。

 ミキサーで果物ジュースを作る様子をイメージしてみてください。ミキサーのふたが開いたまま混ぜ合わせると,中のものが飛び出していきますよね。これと同じで,口が開いた状態でモグモグかもうとすると,口の中のものが外へ出ようとして,ポロポロこぼれてしまうことにつながります。水分の多い食べ物ほど,この傾向が強くなります。試しに,スイカを一口,口を開けたままモグモグかんでみて下さい。スイカやよだれが口からこぼれ出そうになりませんか?口をつむって食べた方が楽なはずです。
 しかし逆に,いつも口を開けて食べている人にとって,口をつむって食べるというのは,とても違和感があるのかもしれません。ある研究によると,普段から口が開いている人は,口を開けて食べる傾向があるようです。従って,口を開けて食べている人を見かけたら,普段から口が開いていないかを観察し,口をつむって食べるように指導すると同時に,普段から口をつむるようにしてあげることが大切なのかもしれません。







Vol.16 (H19年10月) 
 口の中には舌があります。通常,舌は口の中に収まっていますので,「アッカンベー」をしたとき以外,他人の舌を見ることはほとんどありません。しかし,なぜか普段から舌がよく見える人がいます。しゃべるとき,食べるとき,ボーっとしているときなど,いろいろな場面で私は気になります。
 例えば,食べる時に舌を前に出して食べ物を口の中へ取り込む人を時々見かけます。舌を前に出して,その舌の上に食べ物をのせて,舌を口の中へ引っ込めることにより,食べ物を口の中へ取り込む食べ方の人です。このような食べ方の場合,舌の前の方に食べ物をのせればあまり問題ないかもしれませんが,舌の真ん中や奥の方に食べ物をのせると,舌を口の中へ引っ込めたときに,食べ物がそのままのどの近くまで行ってしまいますので,あまりかむことができずに,丸飲みするしかなくなってしまいます。従って,できるだけ舌を前に出して食べないように気を付けた方がよいと思われます。
 世界各国にはいろいろな食文化があり,フォークや箸など,使う食具も異なります。食具を使わずに素手で食べる人たちもおられ,そのような方の場合は,舌を前に出して食べる方が自然かもしれません。しかし日本人の多くは箸を使いますので,舌を前に出さずに食べる方が自然だと思います。







Vol.17 (H19年12月) 
 自分のかみ合わせの状態ってわかりますか?私が初診時にお話しするので,だいたいの様子は知っていると思いますが,自分自身で自覚することはないですよね。現在のかみ合わせで毎日生活していますので,大きな変化がないかぎり,また,とても噛みにくい等の症状がないかぎり,自分のかみ合わせを意識することはないと思います。しかし,かみ合わせって重要なんです。
 たとえば、かみ合わせが悪いと上手に食べ物を噛めません。特に,開咬というかみ合わせの場合,しっかり噛めないまま食べ物を飲み込むため,胃炎になりやすいことが明らかにされています。また,かみ合わせが悪いと,不正なかみ合わせを補うように口が動くため,口の動きまで問題が生じ,顎関節症になる可能性も指摘されています。さらに,かみ合わせが悪いと,食べるときに口が適切に動かず、口の中をきれいに洗い流す唾液が口の中を循環しないため,口の中が汚いままとなり、むし歯になりやすくなることも報告されています。
 このように,普段,意識することのないかみ合わせですが,知らず知らずのうちに,いろいろな影響を及ぼしています。もちろん、かみ合わせがよいだけで、上記の問題が解決するわけではありません。きれいなかみ合わせに調和した口の動きも大切です。矯正治療でかみ合わせを整えながら、そのかみ合わせに調和した口の動きを身に付けられるよう,がんばりましょう。





Vol.18 (H20年2月) 
 最近話題の「ホームレス中学生」,皆さんは読まれたましたか?この本の中で,ひたすらご飯を噛み続け,「味の向こう側」を目指す場面がある。貧乏生活の中,もっと腹を満たす方法はないものかと考えた田村兄弟は,しっかり噛むことで満腹中枢が刺激され,少ない量でも満腹感を得られるのではないかと,一口のご飯を10分以上噛み続けてから飲み込んでいたそうである。

 皆さんも,「ご飯を10分以上噛み続ける」ことに一度挑戦してみてほしい。かなり集中してやらないと,なかなかできないでしょう。普通にご飯を食べると,噛んでいる最中も少しずつのどの方へ食べ物が送られていき,飲む込む反射が誘発されてしまうためである。「噛んで飲み込む」動きは無意識に行われるため,「飲み込まずに噛み続けよう」としっかり意識しないと,噛み続けることはできないのである。実際,田村兄弟も「最初は噛もうと思っていてもつい飲ン込んでしまい失敗した」と書いている。 
 「よく噛んで食べましょう」と近年言われている。しかし,本当によく噛んで食べるためには,「○回噛んでから飲み込もう」など,しっかり集中して食べたり,練習したりしなければ難しいということである。噛んで飲み込む動きは,普段,無意識のうちに行われるため,これを変化させるためには,しっかり意識することが大切なのである。





ふじき矯正歯科

〒466-0834
愛知県名古屋市昭和区広路町字北石坂102-54 八事グランドビル6F

TEL 052-835-8711