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名古屋市昭和区八事にある矯正専門の歯科医院
(地下鉄八事駅6番出口すぐ) TEL:052-835-8711

当院で発行している院内誌の一部を紹介します



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Vol.37 (H23年4月) 
 前歯と奥歯,形が違うのを知っていますか?舌で触ってみるとなんとなくわかると思いますが,前歯は薄く,奥歯には厚みがあります。どうして,こんなに形が違うのでしょう。
 前歯と奥歯,実は役割が異なっています。基本的に,前歯は噛み切る役割,奥歯はすりつぶす役割を果たします。例えばサンドイッチを食べるとき,前歯で「ガブッ」と噛み切り,奥歯で「モグモグ」すりつぶして,サンドイッチを飲み込める状態にしています。噛み切るために前歯は薄く,すりつぶすために奥歯は厚くなっているのです。前歯は包丁,奥歯はすりこぎ・すり鉢のようなイメージです。
 前歯でモグモグ噛んでいる人を見かけることがあります。前歯でいくら噛んでも,食べ物を飲み込める状態にするのはむつかしいのではないかと,ついつい心配になります。例えば,キャベツを包丁でいくら細かく切り刻んでも,それを口に入れていきなり飲み込むのは難しそうですよね。すりこぎとすり鉢ですりつぶしたキャベツなら,口へ入れてすぐに飲み込めそうですが。。。
 現代人は昔に比べて噛まなくなったといわれていますが,前歯と奥歯の使い分けが身に付いていない人が増えているともいわれています。あまり噛む必要のない食品であれば,前歯でモグモグ噛んでも飲み込めますからね。歯の形から考えても,「前歯で噛み切り,奥歯ですりつぶす」というのが最も人間の体に合った自然な食べ方です。よく噛んで食べることを意識するときには,奥歯でモグモグ噛むということも忘れないようにしましょう。




Vol.38 (H23年6月) 
 牛乳を飲むとき,噛みますか?多くの方は,噛むことなく飲んでいるはずです。ではゼリーはどうでしょう?固めのゼリーの場合は多少噛むかもしれませんが,軟らかいゼリーの場合,噛まずに飲み込めそうです。ではこんにゃくは?ゼリーのようにプルプルしていますが,噛まずに飲み込むのは難しそうです。食品によって,そのまま飲み込んだり,噛んで飲み込んだり,考えてみたら不思議ですね。
 そもそも液体と固形物では飲み込み方が違います。固形物は口の中で噛みながら,少しずつのどの方へ送られ,それをのどの奥にためて飲み込んでいます。液体は口の中にためて,それを直接飲み込んでいます。飲み込む前にためる場所が違うのです。牛乳は口の中にためて飲み込み,こんにゃくは噛みながらのどの奥にためて飲み込んでいるのです。 
 近年,あまり噛まずに飲み込む人が増えているといわれています。もしかしたら,液体と固形物の飲み込み方の違いが身に付いていなくて,固形物でも液体のような飲み込み方をする人が増えてきているのかもしれません。意識すれば,噛む時間やのどの奥にためる時間を調節できることが最近の研究で明らかにされています。固形物をしっかり時間をかけて噛む,という意識を持って食べるようにすることが大切なのだと思います。




Vol.39 (H23年8月) 
 食べ物は温度によっておいしさが違います。例えば,天ぷらは揚げたてがおいしいですし,スイカは冷やして食べた方がおいしいです。近年の研究によると,温度によるおいしさの違いで,我々の食べ方が変化することが明らかにされています。
 その研究によると,温度だけ異なる同じ食べ物を同じ分量食べた場合,おいしいと感じる温度の方が,食べ終わるまでの飲み込みの回数が少ない,とされています。おいしいと感じる食べ物の方が,一度にたくさん飲み込まれるということです。これは,無意識のうちに舌の動きが調節されて行われている運動です。したがって,だれも意識したことはないと思います。しかし考えてみれば,我々の実生活でも,おいしい物はあっという間になくなり,嫌いな物は食べても食べてもなかなか減らない,と感じることがあります。おいしい物は一気に飲み込み,嫌いな物は少しずつ飲み込んでいるため,そのように感じるのかもしれません。
 これが逆であれば,おいしい物が長く食べられ,嫌いな物はすぐになくなったような気持ちになるはずなので,食事がもっと楽しくなりそうです。しかし残念ながら,それはちょっと難しそうです。飲み込むときの舌の動きを意識的に調節するのは難しいですし,なにより,舌の動きにそこまで集中してしまうと,食べ物のおいしさなど感じている余裕はなくなると思われますので。。。食べ物は,適温のおいしいうちに,おいしいと感じる雰囲気の中で食べるのが一番ということなのでしょうね。






Vol.40 (H23年10月)
 「かみ合わせが悪いため,食べるのが遅いのですか?」という質問を私はよく受けます。かみ合わせが悪いと食べ物を噛む効率が落ちるため,きれいなかみ合わせの人に比べて多少食べるのが遅くなるかもしれません。また,かみ合わせが悪いために,食べるときの舌や頬の動かし方に問題が生じて,食べ物の処理に時間がかかったり,飲み込むのに時間がかかる場合もあると思います。では,矯正治療でかみ合わせを治したら,速く食べられるようになるのでしょうか。
 答えは,微妙なところです。この点に関して世界中でたくさんの研究が行われていますが,多くは噛む効率やあごの動きなどを調べており,実際の食べる速さまで計測している研究はありません。噛む効率にしぼってみても,矯正治療後に噛む効率が上がった,変化なし,悪くなった等,いろいろな結果が報告されており,明確な答えは得られていません。しかしこれらの研究の多くで触れられているのが「適応」です。矯正治療後の新しいかみ合わせに,舌やあごの動き等が適応するかどうか,ということです。しっかり適応できれば,噛む効率も上がり,食べる速さも人並みになるでしょうし,適応できなければ,噛む効率は下がり,食べる速さはさらに遅くなるかもしれません。
 私自身,矯正治療前は食べるのがとても遅かったのですが,治療後は人並みの速さで食べられるようになりました。新しいかみ合わせに適応できたのでしょう。当院で皆さんに行っている舌の練習や噛む練習も,皆さんに矯正治療後のかみ合わせに適応した動きができるようになってもらうのがねらいです。新しい動きを身につけるのは大変ですが,一緒にがんばっていきましょうね。





Vol.41 (H23年12月)
 つばを飲み込んでください。簡単に飲み込めますよね。では,つばを3回連続で飲み込んでみてください。なかなかつらいと思います。コップからお茶を飲むのであれば,3回連続でゴクゴク飲み込めるのに,つばは連続で飲み込めない。なんだか不思議な感じがします。
 飲み込む動きは,自分の意思で行うこともできますが,飲み込むものがのどの奥に到達することで,反射的にも起こります。つばを飲み込むのは自分の意思で,コップからお茶を飲むのは反射的な動きということなのかもしれません。しかし,自分の意思や反射で飲み込む動きが起こることまではわかっていますが,それ以上の詳細は解明されていません。例えば,食べ物がのどの奥へ到達すると,飲み込む動きが反射的に起こりますが,指がのどの奥に触れると,「オエッ」という吐き出す反射が起こります。のどの奥に何かが触れたとき,飲み込む反射と吐き出す反射,どちらの反射が出てくるのかでさえ,わかっていないのです。
 当院で,ガラガラうがいをしてもらうと,「オエッ」となる人,逆に水を飲んでしまう人,いろいろな人がおられます。のどの奥に水が触れて,いろいろな反射が出てきてしまうのでしょう。しかし練習しているうちに,「オエッ」とならず,水を飲むこともなく,ガラガラうがいができるようになっていきます。人間の体は謎だらけですが,自分の体の能力を最大限に引き出せるようにしたいものです。




 

Vol.42 (H24年2月) 
 自分には口臭があるのか,自分自身でわかる人いますか?ほとんどいないと思います。では,他人の口臭が気になったことがある人はいますか?これは,多くの人が経験あると思います。口と鼻はつながっているので,自分の口のにおいはすぐに鼻へ届いて気付きそうなのに,自分の口臭はわからずに他人の口臭はわかる,なんだか不思議ですね。
 嗅覚は,他の感覚(視覚や聴覚など)に比べて,格段に順応しやすい特徴を持っています。同じにおいにさらされていると,そのにおいに慣れて感じなくなってしまうのです。自分の口のにおいは,慣れて感じなくなっているということです。さらに他人の口臭が気になっても,その人とずっと会話をしていたら,その人の口臭も気にならなくなってくるということでもあります。また,面白いことに,2週間同じにおいにさらされていると,その後4週間は,そのにおいを感じにくくなるというデータもあります。においにさらされている時間に比例して,回復するまでの時間も延長するのです。
 ニンニクを食べた後など,誰でも時には口臭が発生します。このような時々の口臭は問題ないのですが,毎日の継続的な口臭は,歯周病など,口の中のトラブルを表している場合があります。家族や親しい友人などで,いつも口臭がある人がいたら,そっと優しく,口臭のことを教えてあげた方がよいかもしれませんね。自分の口臭は,自分自身では気付きにくいですから。。




ふじき矯正歯科

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