第49回目は、平成25年5月18日に「口呼吸の子どもの嚥下時舌運動」と題して行いました。今回は、Dysphagia. 2012; 27: 401–407を読みながらディスカッションしました。嚥下時には一時呼吸が止まりますが、舌が口蓋についた後に呼吸が止まる方がよいのか、呼吸が止まってから舌が口蓋についた方がよいのか、など、嚥下と呼吸の関係について学びました。口腔機能に関して、いろいろな先生の考え方が聞けて、私自身、たくさん勉強させていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第50回目は、平成25年7月20日に「矯正治療前後の嚥下時舌運動」と題して行いました。今回は50回という区切りの回でしたので、私の論文、Angle Orthod. 2013; 83: 591–596. を読み、その内容についてディスカッションしました。外科的矯正治療をすると、嚥下時の舌尖の位置は改善するが、舌背の動きは変化せず、嚥下機能自体も変化しない事などを、この論文を読みながら説明しました。矯正治療などで口の形態を整える場合は、口腔機能を整えるための指導もしていった方がよいと思う、など、私の考えも説明しました。臨床医にとっては少し難しい内容でしたが、私の言いたい事に耳を傾けてくださった参加者の皆様、ありがとうございました。
第51回目は、平成25年9月14日に「矯正用トレーナー装置の筋機能への影響」と題して行いました。今回は、European Journal of Orthodontics 2012; 34: 96-101.を読み、その内容についてディスカッションしました。矯正用トレーナー装置の使用によって起こる筋機能の変化について学びました。この論文には形態についての情報が全くなかったため、この装置が筋機能に影響を与えたのか、形態変化によって起こった変化なのか、わからないところもあり、今後の研究がもっと必要だな、と思いました。しかし、とても多くのことを考えさせられる論文で、たくさんのことを勉強させて頂きました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第52回目は、平成25年11月16日に「摂食機能を高めるスプーンの形態」と題して行いました。今回は、Bull Tokyo Dent1Coll 2011; 52: 143-147を読みながらディスカッションしました。乳児は、スプーンなどで液体を飲めるようになってからストローを使った方がよいこと、乳児がコップなどで液体を飲む前の練習に適したスプーンの形態について学びました。最近、コップでお茶などを飲む時に、上唇を上手に使えない人が増えていますが、乳児の時に身につけた動きをその後もしていくため、乳児の時にきちんとした飲み方、上唇の使い方を身につけた方がよいな、と思いました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第53回目は、平成26年1月18日に「臼歯部交叉咬合と顎関節症」というタイトルで行いました。今回は、European Journal of Orthodontics. 2012; 34: 667–673.を読み、その内容についてディスカッションしました。臼歯部交叉咬合は顎関節症と関連が強いと言われていますが、関連がないとする論文もたくさんあること、顎関節症や臼歯部交叉咬合の定義が曖昧なために、関連がある・ないなど、いろいろな結果が出ていることなどを学びました。ただ、咬合によって下顎が側方へ誘導される機能性交叉咬合は、さまざまな症状を引き起こすため、できれば、早めに矯正治療した方が良い事を学びました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第54回目は、平成26年3月15日に「乳犬歯の抜歯と犬歯の埋伏」と題して行いました。今回は、Angle Orthod. 2014; 84: 3-10を読みながらディスカッションしました。犬歯の萌出方向に問題があるときには、乳犬歯を抜歯した方が、犬歯の自然萌出の可能性が高くなること、ただし早期診断が重要で、10-11歳に乳犬歯抜歯の処置を行う必要があること、乳犬歯を抜歯する場合には、スペース保持のためにパラタルアーチなどの装置を入れた方がよい事などを学びました。臨床上、とても有意義な論文で、明日からの診療に活かしていきたいな、と思いました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
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