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名古屋市昭和区八事にある矯正専門の歯科医院
(鶴舞線・名城線 八事駅6番出口すぐ) 日曜も診療

ふじき矯正歯科の勉強会の記録 第55回~第60回


第55回目は、平成26年5月17日に「混合歯列期の矯正治療の効果と安定性」と題して行いました。今回は、European Journal of Orthodontics. 2013; 35: 183–189を読みながらディスカッションしました。混合歯列期から矯正治療を始めると、治療期間は延びますが、簡単な装置だけである程度の改善が望めること、治療後の安定性が良い事などを学びました。子どもの矯正治療では、今から治療を開始した方が良いのだろうか、など、治療開始のタイミングを迷うことが多いのですが、長い目で見ると、混合歯列期に治療を開始することにはメリットが多いことがよくわかり、矯正治療開始のタイミングについて、たくさん勉強させていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。


第56回目は、平成26年7月19日に「幼児の不正咬合は自然に改善するのか?」と題して行いました。今回は、European Journal of Orthodontics. 2013; 35: 131–137. を読み、その内容についてディスカッションしました。3歳と7歳で比較すると、3歳児の方が不正咬合が多いこと、3歳の時に不正咬合があっても、7歳の時までの間に自然に改善することが多いこと、不正咬合は指しゃぶりなどと関係が強いこと、などを学びました。3歳の時に不正咬合があっても自然に治ることが多いため、矯正治療はあまり早く開始するのではなく、混合歯列期になってから開始した方がよいことなどが、データとともに書かれており、矯正治療を開始するタイミングについて、私自身、たくさん勉強させていただきました。人種の違いなどがあるため、この論文のデータをそのまま日本人に当てはめることはできませんが、今後の診療の参考にしたいと思いました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。


第57回目は、平成26年9月20日に「心因性顔面運動障害の特徴」と題して行いました。今回は、Movement Disorders 2012; 27: 1544-1551.を読み、その内容についてディスカッションしました。心に問題がある場合に顔面に現れる症状としては、下口唇が左右に引かれることが多いことを学びました。また、心因性の顔面運動障害の場合、普通にしゃべることができるなど、機能面には問題がでないことなど、心因性の特徴などについても学びました。脳梗塞など、器質的な疾患との鑑別がむつかしいところですが、歯科医師としてできることについてのディスカッションで盛り上がり、私自身、たくさん勉強させていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。

第58回目は、平成26年11月15日に子供の矯正治療の症例検討を行いました。今回は、論文を読んでのディスカッションではなく、実際のケースを見ながら、この患者さんの口の状態をどのように考えて、どのようにするのか、などについて、ディスカッションしました。子供の矯正治療は、遺伝要因と環境要因を考えながら治療する必要がありますが、環境要因には、舌や唇の位置や動き、頭頸部の筋肉、普段の姿勢など、たくさんの事柄が含まれ、その中の一つが矯正装置であること、したがって矯正装置だけですべてが解決することはなく、矯正治療の効果にもバラツキがあること、ただ矯正装置を口へ入れるだけでなく、舌や唇の動かし方や普段の姿勢を指導するなど、多面的に環境要因に働きかける必要があることなど、私の考えを説明したりしました。私の考えを聞いてくださった参加者の皆様、ありがとうございました。

第59回目は、平成27年1月17日に「睡眠時無呼吸に対する口のトレーニングの効果」と題して行いました。今回は、Am J Respir Crit Care Med 2009; 179: 962-966を読み、その内容についてディスカッションしました。中等度の睡眠時無呼吸患者に対して、口のトレーニングを行うと、日中の眠気を軽減できるなど、効果的であることなどを学びました。近年、睡眠時無呼吸だけでなく矯正歯科や補綴など、いろいろな分野で、口のトレーニングの重要性を示す論文がたくさん発表されています。口をゆすげない人、牛乳ビンの飲み口すべてを口へ入れて牛乳を飲む子ども、など、口をきちんと使えない人が増えてきている、という話も出てきて、今後、ますます口のトレーニングの重要性が高まっていくだろう、と思われました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。

第60回目は、平成27年3月14日に「アライナー装置とマルチブラケット装置の治療効率の比較」と題して行いました。今回は、Angle Orthod 2014; 84:391-396を読み、その内容についてディスカッションしました。インビザラインなどのアライナー装置は、マルチブラケット装置に比べると、チェアータイムが短いなど、治療効率は高いが、マルチブラケット装置よりコストが高いため、どちらの方が良いのかについては、矯正歯科医の能力と経験によって様々である、ことなどを学びました。最近、インビザラインについての問い合わせがたくさんありますが、すべてのケースで使えるわけではない、金属アレルギー患者に有効、など、インビザラインの良い点悪い点などをディスカションしました。マルチブラケット装置に比べてアライナー装置による治療は、咬合が甘く、治療結果が劣ることが過去の研究で示されていますが、アライナー装置は現在も進化し続けていますので、状況に応じて使っていくのが良いのではないか、と思われました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。




ふじき矯正歯科

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