第79回目は、平成30年5月19日に「矯正歯科治療の1期治療の効果」と題して行いました。今回は、Angle Orthod. 2018; 88: 253-258を読んで、参加者全員でディスカッションしました。矯正歯科治療の1期治療は、III級、II級、I級それぞれで、程度の差はあるが効果はあることなどを学びました。1期治療は、治療期間が長くなるなどのマイナス面、シンプルな装置でそれなりに改善するなどのプラス面があり、賛否両論あります。今日のディスカッションでも、1期治療のメリットやデメリットが次々に出てきて、いろいろな考え方があることがよくわかりました。私自身、1期治療については思い悩むことが多々あり、今日の参加者から聞かせていただいた意見は大変参考になりました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第80回目は、平成30年7月14日に「母乳の期間・哺乳瓶使用期間と乳歯不正咬合との関係」と題して行いました。今回は、BMC Pediatrics. 2015; 15: 46を読んで、参加者全員でディスカッションしました。哺乳瓶と母乳では飲み方が違うこと、母乳の期間が短いと指しゃぶりやおしゃぶりの影響で不正咬合になりやすいこと、などを学びました。不正咬合を予防するために乳幼児期にできることはいろいろありますが、完璧な子育てというのはありませんので、少し気にかけて5割でも3割でも不正咬合を予防できればよい、そうすれば仮に矯正歯科治療が必要になっても簡単に治療できるかな、と思いました。また、生活なども含めてその人をしっかり診て、その人に応じたアドバイスをしてあげることが大切だと感じました。今日のディスカッションでは、私自身、学ぶことがたくさんあり、とても勉強になりました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第81回目は、平成30年9月15日に「思春期の睡眠時ブラキシズム」と題して行いました。今回は、Eur. J. Orthod. 2017; 39: 61-68を読んで、参加者全員でディスカッションしました。睡眠時ブラキシズムは、顎関節症、睡眠時無呼吸、うつ病、などと関係があること、咬合との関係はほとんどないこと、などを学びました。かみ合わせが悪いから歯ぎしりしてしまうのですか?と聞かれることがよくありますが、顎を動かす筋肉が活動して歯ぎしりになりますので、かみ合わせよりも、中枢からの指令によって歯ぎしりは起こると考えた方が良いと思います。ディスカッションでは、レム睡眠という眠りが浅い時には眼球も動きますが(眼球が動くからレム睡眠といいます)、この時に顎も動いて歯ぎしりになるのではないか、という話が出てきて、正しくそうだな、と私も思いました。今回も、私自身、たくさん学ばせていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第82回目は、平成30年11月17日に「歯根長と下顎形態との関係」と題して行いました。今回は、Angle. Orthod. 2018; 88: 403-409とAngle. Orthod. 2018; 88: 575-581読んで、参加者全員でディスカッションしました。下顎枝の長さと歯根の長さに相関があること、成長ホルモンレセプター(rs6184)と歯の長さに関係があること、などを学びました。今回の内容は、臨床よりも基礎的な内容が多かったため少々難しかったのですが、いつも参加されている優秀な先生方が、私の無知な部分についていろいろ説明して下さり、私自身、たくさん学ばせていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第83回目は、平成31年1月19日に「頭部変形と不正咬合」と題して行いました。今回は、赤ちゃん歯科ネットワーク2018; vol5の一部を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。側頭骨や後頭骨などが蝶形骨とつながっていて、それが上顎骨そして下顎骨とつながっているため、頭部の変形は上下顎骨の偏位、不正咬合につながっていることなどを学びました。そこで、赤ちゃんの頃(胎児の頃)から頭を左右対称に成長させられれば不正咬合の一部を予防できる可能性があるのですが、それが簡単ではないため試行錯誤されているようです。完璧な子育てはありませんので、完全に不正咬合を予防することは困難だと思いますが、少しでも不正咬合の程度を軽減できれば良いな、と個人的には思いました。今回は、食事をしながらの勉強会だったためか、いつも以上にディスカッションが盛り上がり、私もたくさんのことを学ばせていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
第84回目は、平成31年3月16日に「混合歯列期の萌出誘導装置(LM-activator)の効果と安定性」と題して行いました。今回は、Angle Orthod. 2019; 89: 206-213を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。LM-activatorは、おそらく日本では販売されていない装置なので、我々は簡単に使うことはできませんが、この論文には、叢生や咬合改善のメカニズムやその治療期間等がわかりやすく考察されていて、混合歯列期の矯正治療を行う上で大切なことをたくさん学ぶことができました。混合歯列期の矯正治療はバリエーションが大きく、ひとつの答えはありませんが、この論文に書かれているような基本的なことをしっかり頭に入れて治療する必要があると感じました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
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