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名古屋市昭和区八事にある矯正専門の歯科医院
(鶴舞線・名城線 八事駅6番出口すぐ) 日曜も診療

ふじき矯正歯科の勉強会の記録 第85回~

第85回目は、2019年5月18日に「矯正歯科治療成否の要因」と題して行いました。今回は、Eur J Orthod. 2017; 39: 615-621を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。矯正歯科治療でとてもきれいに治ったケースとあまりきれいに治らなかったケースを比較すると、あまりきれいに治らなかったのは、男性、general diseaseを有する人、装置使用の協力が得られなかった人、予約の変更やキャンセルが多かった人、開咬や骨格的にハイアングルの人、などであることなどを学びました。日常臨床経験から、やはりね、と感じさせられる結果でありますが、データとして表されると説得力があります。これは、矯正歯科治療だけでなく、歯科治療全般について言える結果でもあると思いました。過去にこのような研究は全くなく、参加者の人たちとのディスカッションで、私自身たくさんのことを学ばせていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。

第86回目は、2019年7月20日に「矯正装置が歯周組織に与える影響」」と題して行いました。今回は、Eur J Orthod. 2018; 40: 176-184を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。固定式装置による矯正歯科治療で歯周ポケットはわずかに深くなるが臨床的には問題にならないレベルであること、前歯の圧下により歯周ポケットは浅くなる傾向があること、などについて学びました。矯正歯科治療で歯を移動させた時の骨のリモデリングについてはよく知られていますが、歯肉等の歯周組織の変化についてはあまりわかっておらず、とても参考になる論文でした。ただ、まだよくわからないところも多いので、それぞれの患者さんごとにしっかり考えて診療していく必要があるな、と感じさせられました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。


第87回目は、2019年9月14日に「歯導帯は歯の萌出異常に関係するのか」」と題して行いました。今回は、Angle Orthod. 2019; 89: 781-787を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。歯導帯が検出されない場合や歯導帯の付く位置に問題がある場合、歯の萌出遅延や埋伏が起こりやすいこと、ただ、検出されたり付く位置に問題があってもきれいに萌出する場合があること、などを学びました。近年は歯科用CTが普及して歯導帯が見えるようになってきたため、歯導帯が注目され始めています。歯導帯に関する研究がさらに進み、CTのデータをもっと有効活用できるようになれば良いな、と感じました。今回はとても参加者が少なかったのですが、その分、皆が自由な発言をして、濃密なディスカッションができたため、私自身も頭の整理ができ、とても勉強になりました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。


第88回目は、2019年11月16日に「矯正装置が発音に与える影響」と題して行いました。今回は、Eur J Orthod. 2018; 40: 29-36を読みながら、参加者全員でディスカッションしました。多くの矯正装置は、発音に影響を与えること、その影響は1か月以内にほとんど改善すること、リンガルブラケットやホーレータイプリテーナーは、発音障害が長く続くことがあること、等を学びました。口の中に矯正装置を装着すると話しにくくなるのは当然なのですが、そのことを、データをもって患者さんにきちんと説明できる、とても有意義な論文だと思いました。今回は参加者が少なかったのですが、その分、濃密なディスカッションができて、私自身、いろいろと勉強させていただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。



ふじき矯正歯科

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